FC2ブログ
トップページ | 全エントリー一覧 | RSS購読

正法眼蔵 面授 4

経典(大梵天王問仏決疑経)の文章について道元禅師の注釈は続きます。

このように顔と顔を合わせて一対一で教えを授ける、授かるという基本的な原則というものは、釈尊ご自身が迦葉仏の教団において、迦葉仏と一対一で対面したうえで教えを受け、それを保持してきたところであるから、仏教界において真実を得られた方々のいずれにも具わるところの同じような顔であるということが言える。

※迦葉仏という方は摩訶迦葉尊者とは別の方で、釈尊の師匠として釈尊に教えを伝えた人と伝えられている方です。

このように真実を得られた人と直接顔を合わせて教えを伝えられるのでなければ、真実を得た人と呼ばれない。釈尊ご自身が直接に迦葉尊者と顔を合わせて教えを伝えられたことは、まさに教えを直接伝えたことを意味するのである。阿難陀尊者や羅喉羅尊者は釈尊との間では身近な人であったけれども、釈尊が直接教えを伝えられた方は摩訶迦葉尊者であったといわれている。

その他のたくさんの菩薩と呼ばれる仏道修行者も、迦葉尊者が直接釈尊から教えを授けられた状態には及ばないし、迦葉尊者と同じような席に着くことはできない。釈尊と迦葉尊者とが同じ席に坐られて同じ衣を着て同じお袈裟をかけられたということが、あらゆる時代を通して誰でも知っている仏教界の儀式としてのやり方であったといわれている。

迦葉尊者は直接釈尊の顔と自分の顔とを合わせて伝授を受けたし、心と心とを照らし合わせて伝授を受けたし、体と体を照らし合わせて伝授を受けたし、目と目とを見合わせて伝授を受けたし、迦葉尊者も釈尊を供養し、尊敬し、礼拝し、日常においてお仕えするということをされたのである。

釈尊の摩訶迦葉尊者に対する教え、迦葉尊者の釈尊に対する粉骨砕身の努力は非常に変化の多い様々の内容を具えたものであった。迦葉尊者も自分自身の顔や目というものは問題にすることなしに、ただ釈尊ご自身の様子というものを直接受け取るということをされた。釈尊もまさに摩訶迦葉尊者ご自身をご覧になった。そして迦葉尊者は直接にその弟子である阿難尊者を見られた。そして阿難尊者はやはりその師匠である迦葉尊者の仏としての顔を拝んだ。

このような師匠と弟子との関係を「面授」と呼ぶのである。



              ―西嶋先生の話―
    --つづき

その点では「正法眼蔵」の空華という巻にも、張拙秀才という人の作った詩の一節として「欲望というものはほっておけば出てこないけれども、断ち切ろう、取り除こうとするとさらに弊害を増大する」とある。欲望にはこういう意味がある。だから欲望の実体をよく見て、それをしっかり掴んでいれば何の問題もないわけですが、えてして欲望を取り除こう、押さえつけようという意思が働いて、そういう意思が働くと欲望というものがとてつもなく力の強いものになって、大暴れすると、こういう問題があるわけであります。

したがって、「正法眼蔵」の空華という巻のところで道元禅師は「煩悩かならず断除の法を帯せるなり」と言われているわけです。これは、欲望というものは例外なしに断ち切ろう、取り除こうとすると現れてくる性質を持っていると、こういう意味であります。そういう点では、これが果たして本当なのかどうかというふうな問題については、我々の日常生活の中で実際に勉強してみると、なるほど本当だという事が事実としてあると、こういう事が言えると思います。

ですから、道元禅師の師匠の天童如浄禅師は「正法眼蔵」家常の巻で「お腹が空いたらご飯を食べる、疲れてきたら寝る、これが仏道の真実だ」と言われているわけであります。こういう言葉を聞きますと「いやあ、そんなおかしい話はない。お腹がすいたらご飯を食べる、疲れたら寝るという事では動物と同じゃないか。人間はもっと人間らしく、お腹が空いてもご飯を食べないで我慢をするという事がなければつまらない。眠くなっても寝たいのを我慢するというのが人間らしい」と、こういう考え方もあるわけであります。
                              つづく--


ご訪問ありがとうございます。

宜しかったらクリックお願いします。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村
関連記事
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント

フリーエリア

ご訪問ありがとうございます。 にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村

プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
夫と店を始めて43年。生活=仕事。毎日朝晩自宅で坐禅をし、愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで紹介しています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」平成20年「嗣書」を授かりました。    

最近の記事

リンク

最近のコメント

カテゴリ

FC2カウンタ-