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正法眼蔵 面授 1

面授の巻、本文に入る前に西嶋先生の話です。

「面授」というのは、顔と顔とを合わせて、一対一で師匠から弟子に対して教え(法)を伝えるという意味になるわけであります。その点では、仏教の内容が単に思想だけであったとするならば、本を読むだけでわかるはずだと、こういう問題があるわけです。

仏教は単に思想だけではないという性格があります
から、その点では仏教の中心になるものは、師匠と弟子とが一緒に生活して、師匠から弟子へ、単なる理屈としてではなしに、日常生活の生き方として伝えるという事情がありまして、そのことを「面授」というわけであります。

我々が社会生活をしている場合でも、人に対して何かを伝えたいと、こういう場合があるわけです。もちろん電話をかければ伝わるという問題もあるわけです。ただ細かい事になりますと、やはり顔と顔とを合わせて向こうの表情を見ながら話さないと本当に伝わっているかどうかわからない。

単に仏教上の教えだけでなしに、人間同士の肝心な問題というのは、お互いに顔を見ながら伝えないと伝わらないという事情があるわけであります。仏教にも当然そういう問題がありまして、そのこと「面授」という言葉で表しているわけであります。

仏教では教えを伝えるにあたって、仏教の究極のものを伝えるにあたって、顔と顔とを合わせて直接に教えを受けることが大切だと、こういう事を主張されているわけです。


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              ―西嶋先生の話―
    --つづき

1・苦諦―欲望を罪悪視しない 2集諦―欲望を勉強する 3・滅諦-欲望には自然の限界がある 4・道諦-限界の中の欲望は欲望ではなくなる

1・「苦諦」の続きです。
なぜそういう事が言えるかというと、仏教、特に大乗仏教の基本的な考え方の一つに、「煩悩即菩提」という考え方があるわけです。この考え方はどういう意味かというと「煩悩」は人間を煩わすという意味で主として欲望を指すわけです。「即」はすなわちという事で、煩悩が菩提と一つのものだと言う意味を表しているわけです。「菩提」というのは、仏教徒が一所懸命求めているところの真実という意味です。従って「煩悩即菩提」とは欲望が真実であると言う主張です。

それはどういう事を意味するかというと、我々の人生においては欲望がありますがその欲望をどう考えるかという問題について、仮に人間が欲望がなくなったらどうなるかという事を考えてみますと、命がなくなるという事でもあるわけです。ですから欲望とは人間が生きているという事実の裏側である、あるいは事実そのものである。生きるという事そのもの、生命そのものもが欲望だという考え方を「煩悩即菩提」という言葉で述べているわけです。
                                 
そういう点では、普通の宗教と欲望に対する考え方がかなり異なっているという事が言えるわけであります。普通の宗教ではかなりの宗教が欲望というものは罪悪である、罪である、したがってそれは本来避けるべきものであるけれども、人間はそれを避けることが出来ない。したがってそういう罪深い人間は神に対して謝罪しなければならない、あるいは許しを乞わなければならないという考え方が、普通の宗教が欲望に対して持っている基本的な考え方だと言えるわけです。

ただ仏教はそういう考え方をとってはいない。こういう事がまず最初の考え方としてあるわけであります。しかしこの問題に関連して、仏教の中でもキリスと教と非常に似たような考え方をしておる流れがあるわけであります。それはどういう流れの仏教かというと、浄土系の仏教思想ではキリト教的な欲望の考え方と非常に似た考え方をしておるという面があるわけであります。ですからその点では逆に、浄土系の仏教思想というものは仏教本来の考え方とかなり性質が違っておるという事が言えようかと思うわけです。
                               つづく-


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コメント
649:管理人のみ閲覧できます by on 2019/10/14 at 16:29:47

このコメントは管理人のみ閲覧できます

650:Re: タイトルなし by 幽村芳春 on 2019/10/14 at 22:07:12

鍵コメさん、これからも訪問させていただきます。

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プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
夫と店を始めて43年。生活=仕事。毎日朝晩自宅で坐禅をし、愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで紹介しています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」平成20年「嗣書」を授かりました。    

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