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正法眼蔵 葛藤 11

達磨大師と弟子の問答について道元禅師の注釈は続きます。

銘記せよ。お前が私を得たと言う状態もあろうし、私がお前を得たと言う状態もあろうし、私を得たお前と言う状態もあろうし、お前を得た私と言う状態もあるであろう。達磨大師の身心を拝見する場合に、内側と外側とは一体のものではないと考え、身体全体が何か共通のもので統一された状態ではあり得ないと言うならば、その様な状態というものは真実を得られた方々が現にいま生きておられる国土ではなくなってしまう。

皮を得たという人は、達磨大師の骨も肉も髄も得たと言う事が言えるのであるし、骨、肉、髄を得た人は、皮や肉を得、その容貌の全体をも得たという事になるのである。そしてこのような形で達磨大師の皮、肉、骨、髄を得、また面目を得たという事が、単にこの宇宙全体の本当の実体というものを明らめたという事ばかりでなくて、その宇宙全体を明らめえた人そのものが、体とか心とかという区別から超越したところの皮、肉、骨、髄になり切った状態だという事が言える。

この様なところから、達磨大師は太祖慧可大師やその他の弟子に対してご自分のお袈裟を与えられ、また釈尊の説かれた法(宇宙秩序)を与えられたのである。これによりて師匠の言葉も、弟子の言葉も、体や心と言う区別を超越して現実に徹し切った個々の瞬間瞬間の状態であり、その様な瞬間、瞬間の状態において師匠と弟子とが同じような境地を体験したのである。

そしてこの様な言葉を聞いた相手の人々が祖師であれ弟子であれ、やはり体や心と言う区別を乗り越えて、瞬間、瞬間の場面において師匠と弟子とが同じ様な境地を体験したのである。この様に師匠と弟子とが同じ様な境地を体験すると言う事が釈尊以来伝承されて来たところの複雑なもつれ合い、葛藤と言うものの実態である。



              ―西嶋先生の話―    
    --つづき

なぜ瞑想という言葉を私は避けたいかと感じているかと言いますと、例えば道元禅師は坐禅の本質というものを「非思量」と言っておられるわけです。つまりものを考え事とは違うと。その点では瞑想というものが何らかの形でものを考えるという内容をどうも示しがちであるから、なるべく瞑想という言葉を避けたいと、こういう問題があるわけです。

「非思量」とは考えることではないという事で、我々が坐禅をやっている時の状態を考えてみますと、腰骨を真っ直ぐに伸ばしてただ坐っているという事が実情ですから、何かを考えている状態とは別であると、こういう事があるわけです。そういうふうに腰骨を正しくして坐っているという事が我々の骨格の全てを正しくする、筋肉の状態の全てを正しくする、自律神経の均衡を正しく保つ、体の内分泌の働きを正しくすると、そういう体の状態を正しくするという事につながっているわけで、そこに坐禅というものの非常に大切な本質があると、こういう問題があるわけです。

ですからその点では、キリスト教、特にカトリックの布教活動と坐禅という修行法とが関連あるという捉え方で、相互に連携をとって大いに広めようという動きがある様で、たとえば先日の日曜日NHKの「心の時代」という番組の中でも、平田さんという臨済宗のお師家さんの方と、キリスト教の神父さんとの対談があったわけであります。

私は結論まで聞く時間がありませんでしたので、結論がどうなったかという事はちょっと承知しておりませんが、キリスト教において行われているMeditationと言われる修行法と坐禅というものとが簡単に一つのものだと言い切れるかどうか、その辺については多少疑問を持っているわけで、そのことがMeditationの訳語が瞑想であり、瞑想と坐禅とが一つにつながるという理解の仕方に進んでいくとすれば、そういう傾向についてはかなり検討してみなければならない問題があるのではないかと、そういう事を感ずるわけです。


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幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。69歳。自営業。愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで毎日更新し自宅で朝晩毎日坐禅をしています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」幽村芳春 平成20年「嗣書」授かる。    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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