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正法眼蔵 菩提薩埵四摂法 12

「同時」について道元禅師の注釈は続きます。

例えば「同事」と言う言葉における「事」という文字の意味は、外見でもあり、中に含まれた充実した力でもあり、それをどう使いこなすかという意味であるから、自分自身が周囲に同調しているだけではなしに、周囲を自分に同調させて、それから後に自分が周囲に同調すると言う基本的なやり方もある。 その点では、自分自身と周囲の状況との関係は、その時々の実情に従って無限に変化し、無限に続き、発展していくものである。

管仲の書いた「管子」と言う書物に言う。「海はどんな水が入り込もうとその水を嫌わないから、その大きさを現実のものにしている。山はどんな土が入り込もうとその土を嫌わないから、山の高さを現実のものにしている。 優れた君主は人を嫌わないから、人が集まり大きな組織ができ、大きな国家ができる」と。

銘記せよ。このような文章から知れることは、海がどの様な水も嫌がらないと言う事が、何事にも同調すると言う言葉の意味である。 そしてさらに銘記すべきは、水が海を嫌がらないと言う性質を具えていると言う事も知るべきである。

※西嶋先生解説
この事は自然というものはこういうものであって、宇宙というものはこういう性質を具えたものであって、嫌だとか、嫌でないとかと言っていてもおかしな話だ。我々はそんな狭い世界には住んでいない。ところが各人が狭い垣根を周囲にめぐらしてあいつは気に入っている、あいつは気に入らないという事で、それぞれが取捨選択するから、世の中が面白くもなるし苦しくもなる。面白いと苦しいというのは一緒の場所にある。

ところが自他が一つになってしまうと、あまり変わりばえはしないけれども、喧嘩も起こらない。極めてのどかな形で、目先やらなければならないことを一所懸命にやる世界が生まれてくる。こういうことになるわけであります。それが本来の姿、本来の人間の状態であるし、本来の宇宙の状態であるわけであります。

幸か不幸か人間は非常に頭脳が発展しておるから、「これは私の持ち物、これは子供の分」というふうなことで一所懸命に考えるから、利益と利益が衝突してお互いにややこしくなる。こういう事が実情だという事でもあるわけであります。

本文に戻ります。
この様なところから、水が集って海というものができるし、土というものが積もり積もって山となるのである。 そこで暗黙に知る事ができる。海は海自身である事を嫌っていないからこそ、海であり大海であることが可能となっているのである。 山は山自身である事を嫌っていないからこそ、山でありその高さを示しているのである。優れた君主は人を嫌わないからこそ、衆(多くの人)が増えて大きな国家をつくる事ができるのである。

多くの人とは国家と言う意味であろう、優れた国王とは皇帝の事を言うのであろう。沢山の国を統轄するするから、様な皇帝は人を嫌わないのである。 しかし人を嫌わないからと言って、人をほめたり罰したりする事がないと言う訳ではない。 人をほめたり罰したりする事はあるけれども、人を感情的に嫌悪する事はないのである。



              ―西嶋先生の話―      

坐禅によって何をやるかといえば、間違った考え方から脱け出す。坐禅によって何をやるかといえば、感覚的な囚われから脱け出す。日常生活において悩んだり苦しんだりしますが、足を組み、手を組み、背骨を伸ばしてジ-ッとしていると悩みと言うものが起きてこない。どこかへ行ってしまう。そのことが「坐禅」と言うものの意味です。

日常生活において、美味しいものを食べたり、綺麗なものを見たり、綺麗な音楽を聴いたりということで感覚的に色々な楽しみというものがある。そういう楽しみは結構な事であるが、それにとらわれすぎてしまうと人間が弱くなる。人間が誤りに陥りやすくなる。だから、そう言う囚われから脱け出すのに「坐禅」がある。


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プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。68歳。自営業。愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで毎日更新し自宅で朝晩毎日坐禅をしています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」幽村芳春 平成20年「嗣書」    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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