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正法眼蔵 菩提薩埵四摂法 3

布施について道元禅師の注釈は続きます。

我々の住んでいる世界には真実と言うものが厳然として存在する。我々が生きている世界の真実に従って素直に生きていくならば、真実というものと自分とが一体になる事が出来る。人が真実を得た状態の時というものは、真実が真実として一人歩きすると言う事が実情として必ず現れて来るのである。つまり自然に真実というものが具体的な姿をとって現れてくるのである。というもの

そしてまた逆に物質的な物の価値と言う面から考えていくならば、物質的な財産がその価値を自然に発揮する場合には、常に人に施すと言う形でその価値が発揮されるのである。自分自身が本来の状態において本来の働きを示す事であり、自分以外の周囲も自分以外の周囲の本来の姿を発揮すると言う事が布施と言う行いの実情である。

この様な形で人に施し、何かを与えると言う事に伴う直接・間接の影響力というものは、遠く天上世界にも及び、また人間の世界にも広く行き渡って、仏道修行をして真実を得た賢人、聖者という人々の範囲にまでその物を施すという事の直接・間接の影響力が及ぶのである。

なぜかというとそれは自分自身がある場合には与える人となり、ある場合には受け取る人となって、布施に関連して相互関係を持つのであるから、釈尊も(増一阿含経の中で)人に物を与え様とする人が、釈尊が説法をしておられる集会の中に姿を現した場合には、人々はまずその人を眺めると言う事が自然に行われると述べられている。
                                         


          ―西嶋先生にある人が質問した―

質問
今日のお話とは少しずれて申し訳ないんですけれども、「お前、そんなこと言ってて世の中に対して非常に消極的に生きるんじゃないか」と言われた
わけですね。で、その意味がわらないんですけど。消極的といっても、そんなつもりもないんですけれども。だいぶ年配の人なんですけど、その人は「仏教は嫌いだ」っていうんですよ。「お前、そんな朝晩坐ってみたところで、損得が出て来るわけでもない。損得が出てこなければ世の中生きていたってつまらないじゃないか。お前みたいにまだ若いくせにしゃれたことを言うな」てなことを言われたんですけど、その辺はどうなんですかね。

先生
その点ではね、自分の生涯に後悔したくないと思ったらやっぱり仏道を勉強すべきですよ。別の目標を求めて、ぜひこれを実現するんだと言って実現してみたところで大した事はない。本当の人生の意味というものをしっかり捉まえて、どう生きたらいいかがしっかりわかって、その通りに生きるのが人間として一番幸福な状態ですよ。だから世間並みの色んな財産とか権力とかと言うものを目標にして、一所懸命努力して手に入れてみても決して満足はいかないと思う。

人間というのは、それほど安手に出来ていないんですよ。人間というのはかなり高貴なものですよ。高貴な目標を求めて、それを掴まないと満足しないものですよ。だからその事に早く気が付いて仏道修行を早くから始める方が、人生に於ける満足を得る、得ないと言う問題については非常に大きいと思います。その点では、また逆に世間並みの損得の問題から考えると、例えば優しい言葉を使うというふうな事が商売の点でも絶対の武器だし、それからまた政界でも成功する場合にも必ず必要な事です。

政治家の世界で「ニコポン、キンメシ」と言う言葉がある。ニッコリ笑うとか、肩をポンとたたいて「君、近いうちに飯を食おうじゃないか」と言う事が、優れた政治手段として昔から言われている訳です。そういう点では、政治の世界と言えどもやはり「ニコポン、キンメシ」が絶対の武器として通用すると言う面がある訳です。そうすると世俗的な繁栄とか仏道的な真実とかと言うものは区別が出来ないんですよ。
                             つづく--


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幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。68歳。自営業。愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで毎日更新し自宅で朝晩毎日坐禅をしています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」幽村芳春 平成20年「嗣書」    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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