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正法眼蔵 空華 27

瑯椰慧覚禅師が言われた。

この世の中には真実を得られた沢山の方々がおられて、それは非常に素晴しい事ではあるけれども、本来それらの真実を得られた方々は眼に見えている姿に過ぎない。そのことは逆の立場から言うならば、眼に見えているものはぜんぶ現象であって実体がないかもしれないと言えるかもしれないけれども、そのような目に見える実在ではないかもしれない姿というものが何かと知ろうとするならば、その実在ではないかもしれない姿そのものがあらゆる方角におられる真実を得られた方々そのものである。

さらに仏道を勉強して、この世の中に存在するの真実を得られた方々とはいったい何かという事を知りたいと思った場合に、その様な真実を得られた方々というものは、単に眼に映る姿だけではない。眼に見える以外のものを含んでいる事が実情であるし、実在するかどうかはっきりしない現象(姿)というものを一体その本質は何かという事を知りたいと思った場合に、それらが真実を得られた沢山の方々とは別のものだという事情もある。

この様な実情がはっきりわかってくると、そのような様々の複雑な捉え方をせざるを得ないという実情の原因は、真実を得られた方々そのものにある。真実そのものがある場合には現象(姿)として見えてくるし、ある場合には現象(姿)として見えないという部分も含んでいるというところにある。

この様な実体というものがまだ十分に分かっていない時点においては、自分自身が仏道を理論だけで勉強していこうという立場から努力する人としては、頼りにならないことに躍り上がって喜ぶという事があり得るであろうし、また自分自身が客観的な事情だけから真実を得るという仏教徒の種類に属している人としては、そわそわして自分の周辺を飾り立てるという事をするであろう。

※西嶋先生解説
この瑯椰慧覚禅師の言われている事も非常に複雑ではあるけれども、我々が生きている世界の実情を言っておられる訳であります。つまり、我々の住んでいる世界、真実とは何かと言う事を考えた場合に、それが我々の眼に見えているそのものだという場合もあるし、また実在するかどうかわからないこの世の中の姿と言うものが、真実そのものであるという事情もある。

しかし、その様な事情だけでなくて、真実と眼に見えるものが一致しておらない場合もあって、この世の中の外見的な姿と言うものが真実と同じでないと言う場合もある。この様な複雑な状態がわかって来た場合に、仏道の実体が複雑なものであるとわいうことがわかるようになるのである。もしその様な事情がわからない場合には、理屈だけで仏道を勉強したり、外界の刺激だけで仏道の真実がわかると考える人々の境地から中々脱け出す事が出来ないであろう と言われている訳であります。



          ―西嶋先生にある人が質問した―

質問:
正法眼蔵の中には譬え話がよく出てきますが、そう言う譬え話と言うのはどういう教えのものなんでしょうか。

先生:
譬え話と言うのは実在の話ではないと言う事が言えると同時に、譬え話が実在の状況を実にうまく説明していると言う事はありますね。だからそうなって来ると、譬え話なんだか実在なんだかはっきり解からないという問題はあると思います。そういう譬え話が、実にうまく説いてあるのが「法華経」ですよ。法華経の譬え話というのは、それぞれ譬え話ですけど、我々の人生の実態を実にうまく説いている。

ですからその点では、法(釈尊の説いた宇宙秩序)を説明するための譬え話と言うのが、譬え話ではなくて、実在そのものを説いている様な場合と言うのがいくらもある様な気がします。だからそう言う点も含めて「空華」と言う思想が、つまり釈尊の教え、架空の言葉によって作られた話が実は、実在というものをよく表してしていると言う事も同時に主張しておられると言う事は言えると思います。


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幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。69歳。自営業。愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで毎日更新し自宅で朝晩毎日坐禅をしています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」幽村芳春 平成20年「嗣書」授かる。    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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