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正法眼蔵 身心学道 9

この様に我々の住んでいる世界をきわめて現実的に立体的に眺めていくならば、山、河、大地というものは有るとか無いとかと言う相対的な観点を離れた絶対の存在である。山が大きくて砂粒が小さいと言ってみても、あくまでも相対的な比較の問題であって本質的に大きいのか小さいのかと言う事は必ずしも断定できない。

その様な山、河、大地の実態を会得したとか会得しないとかという問題ではないし、分かったとか分からないとかという事でもない。完全に理解したとか完全に理解していないという事でもないし、その実態を十分に承知したとか承知していないとかと言う事でもない。それがわかったからと言って外界の様子が変わるわけでもないし、その実態が理解できたと言ってみても外界の様子が変わるもわけではない。

この様に心と言うものは極めて捉えどころのないものであって外界の世界に相対峙していると言う場面もあるけれども、さらにもっと具体的に現実的に考えるならば、どうとも断定する事の出来ないものとして我々の生活の中にある。そのように捉える事の出来ない心と言うものを使って、その様な心そのものを勉強する事が心学道である。心による真実の探求であるとはっきりと信じてそれを受け取るべきである。

この様な形で仏道修行の中で真実を得ようと決心し、心というものを中心にして真実を学んでいこうとする態度をはっきり決めた場合には、そういう信仰と言うものは大きいとか小さいとかと言う相対的な比較を乗り越えているし、それが実在しているとか、それが実在していないとかと言う相対的な比較を乗り越えた、絶対の現実であり、言葉では表現する事の出来ない何かである。




              ―西嶋先生の話―

「正法眼蔵」を勉強して感じることは、我々がふつう常識的に教えられている仏教と仏教の中身が違うと、こういう問題があるわけであります。私自身が子供の時から仏教と言う宗教があるという事は聞いていた訳でありますが、仏教という宗教がどういう宗教なのか勉強しようとして多少本を読んでみてもサッパリわからなかった。どうも仏教というのはよくわからん宗教だと、こういう印象を持っていたわけであります。

ただ「正法眼蔵」を読んでいって仏教はこういう考えなのかとわかって来ますと、今まで教えられていた仏教とだいぶ違うと、そういう問題がある訳であります。またどこが違っているかと言う問題について、仏教の基本的な四つの考え方を基準にして考えてみますと、正法眼蔵において説かれている仏教というのは、苦諦―心の面もありますが心だけではない。心と同時に集諦―物の面をも大切にする物心一如という思想がありまして、物の面も説かれている。それから単に心と物だけでなしに滅諦―人間の行いも重要な要素をなしているし、最後に道諦―坐禅がある。だから、「正法眼蔵」の説いている仏教では、心と物と行いと坐禅と、この四つのものが入っている訳であります。

1・苦諦(心)の立場
我々が小学校以来教えられてきた仏教は心の問題にだいたい絞られている。なぜそういう結果が出たかと言うと、我々は明治維新以降、西洋の考え方を一所懸命に勉強したわけでありますが、西洋の考え方では宗教は心の問題と言う前提があるわけであります。ですから西洋の考え方を基準にして仏教を検討していった場合には、心の面だけが強調されて、後のものは全部削り落とされてしまったと、こういう問題がある訳であります。

つまり西洋流の考え方からすると、物の面、行いの面、坐禅は宗教的なものでないという事で削り落とされてしまって、仏教の心の面だけが残った。ところが心の面だけで仏教を捉えようとすると、全体の四分の一しかないわけだから、いくら理解しようと思っても理解できないと言う事情があったと思います。

                                つづく--


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幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。68歳。自営業。愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで毎日更新し自宅で朝晩毎日坐禅をしています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」幽村芳春 平成20年「嗣書」    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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