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正法眼蔵 阿羅漢 14

百丈山の大智禅師が言われた。 
 
眼、耳、鼻、舌、皮膚、神経中枢と言う感覚器官というものが、様々な外界のものに引かれてそれに煩わされる事がなくなった状態というものを、これを四句偈(4つの言葉)を我が身に受け取り、それを保持している状態と名づけ、仏道修行の最終の成果である阿羅漢の状態と言う。  
   
※西嶋先生解説
四句偈(4つの言葉)というのは、諸行無常・是生滅法・生滅滅已・寂滅為楽と言うふうな四つの行からなる詩の形をした言葉を言う。経典では仏教の教えを述べた後で、このような行の詩の形で仏教思想をさらに重ねて述べるという事があるために、この四行の詩を自分の心得として受け取り、それを保持することを「四句偈を受持する」というふうに言うわけであります。その四句偈を受持する事が阿羅漢と呼ばれている四果というものと同じ意味だと言われているわけであります。

大智禅師の言葉について道元禅師が注釈がされます。
外界の刺激にとらわれない状態において、その様な状態における徹頭徹尾正しい状態と言うものは中々理屈で説明できない。そしてこの様に理性的な思惟を超越したものであればこそ(たとえば坐禅をしている場合)体全体が自然に貪りから離れ汚れから離れている状態である。すなわち我々を取り巻いている一切の外界の世界を貪らず汚されていない状態である。

「諸行無常・是生滅法・生滅滅已・寂滅為楽」と言う仏教の基本的な考え方を我が身に受け取って、それを保持している状態にある限り、何もかも一切のものが貪りから離れ汚れから離れていると言う事である。この様な状態を仏道修行における第四番目の成果ともいい、第四番目の成果とはつまり阿羅漢の事である。坐禅をやっている瞬間に現れてくるところの我々の眼、我々の耳、我々の舌、我々の皮膚、我々の中枢神経と言うものは阿羅漢に他ならない。



          ―西嶋先生にある人が質問した―

質問
お釈迦様は大慈大悲の気持ちがあったから非常に悩まれて、大衆を救済しようとなすったのですが、やっぱり我々にもその様な気持ちがある様な気が・・・。

先生
あります。人間と言うのはそういうもんなんです。人が困っていれば、とにかく助けてやろうと言う気持ちが自然に出てきてしまう。理性的に考え「損だから止めておこう」と言うのは後から教育で教わった訳(笑)。教育で教わらなければが「可愛そうだから助けましょう」と言う事がどうしても出て来る訳です。

教育の要素の中には損得を教えると言う大事な要素もありますから、そういう教育を受けて「ここまでやっちゃ損だから、この辺で踏みとどまろう」と言う様な事も頭にちゃんと入っているけれども、本質的には非常に高貴なものですよ、人間と言うのは。
    
質問
それがあったから人間と言うのは栄えてきた様な気が私はするんです。

先生
それはあると思いますね。そう言うものが文化をつくってきたと思いますよ。学者の働きにしても、これをやったらば本が売れていくら儲かるとか、そんな事では学問自身がやれない訳ですよ、おかしくて。だからとにかく調べたい、勉強してみたいと言う事で学者だって一所懸命やっている訳だから。れは商売だって何の仕事だって皆同じです。だからそういう点では、我々のやっていること事態が非常に尊いものだという事、これはいえると思います。各人が誰でも非常に自信を持っていいと思うんです。
   
釈尊は「自信を持て」と言う事をしきりに言われた訳ですね。「天上天下唯我独尊」と言う事は釈尊ご自身だけの事ではない、人間誰でもたった一人しかいないんだ。この宇宙に自分と言うものは、たった一人しかいないんだと言う事実に気が付く必要があるという事を言われた訳です。だからそういう点では、大いに楽観的に考えて活躍していいんだと、そういう事が言えると思います。


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幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。68歳。自営業。愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで毎日更新し自宅で朝晩毎日坐禅をしています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」戒名幽村芳春。平成20年「嗣書」授かる。    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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