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正法眼蔵 観音 19

雲巖曇晟禅師と道吾円智禅師の問答について道元禅師の注釈は続きます。

道吾禅師が「貴方はだいぶまともな事を言っている。点数をつけるならば80点か90点だと思われる」と言われた。この道吾禅師の言葉をどの様に理解したらいいのかと言うと、雲巖禅師の観世音菩薩に関する説明は、言いたい事を的確に述べ、言わなければならない事を大変よく表現されていて、説明の行われていない部分は残っていないと言う意味である。

まだこれから言わなければならないところ、つまり現在では口にしていないものに関連して、まだこれからどうしても言わなければならないところが残っていない時に――つまり、言葉で表されていない部分がもうないと言う場合に、その言葉による表現に対して80%、90%の事は言い得たと言うのである。

なぜその様な勉強の仕方するかと言うと、その言っている言葉があらゆる場合を説き尽くしていたとしても、まだ真実というものについて完全には表現していない力の状態である場合には、仏道を本当の意味で勉強した事にはならない。言葉の表現としては80%、90%の表現だと言われる場合であっても、表現すべき事柄を80%、90%の程度に表現した場合と、100%完全に表現した場合と具体的には二つの場合があるという事であろう。



              ―西嶋先生の話―
   
十重禁戒とは、1不殺生戒 2不偸盗戒 3不貪婬戒 4不妄語戒 5不酤酒戒 6不説在家出家菩薩罪過戒 7不自賛毀他戒 8不慳法財戒 9不瞋恚戒 10不謗三宝戒。
     
    --つづき
3・不貪婬戒(欲望に関連して過度に満たしてはならない)   
これは男女の肉体関係だけを意味している訳ではない。この「婬」と言う字は「ほしいままに」と言う意味であります。欲望としては、食欲もある、金銭欲もある、名誉欲もあると言うふうな様々な欲望があるわけでありますが、いずれにしても過度であってはならない。なぜ仏教がこういう主張をするかといいますと、仏教は過不足のないと言うところに一つの目標をおいている訳であります。多すぎないという事、それから不足でないという事が狙いと言う事になる訳で、あります。

よく仏教では中道と言う主張があるわけでありますが、この中道と言う思想は、多過ぎもしない、少な過ぎもしないと言う状態を意味する訳であります。ですからこの多過ぎもしない、少な過ぎもしない、という状態というものを生活のあらゆる面で実現していくという事が仏教の一つの主張であります。ですからその点では、欲望に関連しても過度に欲望を充足させてはならない、そういう意味であります。
  
4・不妄語戒 (嘘をつかない)  
妄語というのは嘘をつくこと。なぜ嘘をついてはいけないか。嘘をついていると、どっちが本当か自分自身でもわからなくなって来るという問題があるわけであります。仏教というのは真実を求める教え。だから、この世の中の実態と言うものがどうなっているかと言う事を見極めていく訳でありますが、、自分自身で本当と思っていない事を人に本当らしく話していると、その話していると言う事が原因になって、しゃべった事が本当なのか嘘なのかがハッキリしなくなって来る。
  
そういう習慣が重なると、何が本当で何が本当でないかがはっきりしなくなって来る。その事は真実を求めると言う仏道の狙いから、だんだん遠ざかって行くという事で、嘘をつくなと言うのが不妄語戒であります。ただこの戒律は非常に守りにくい戒律であるという事も実際には言えようかと思います。と言うのは、我々は何となく嘘をついてしまうと言う事は日常生活において頻繁にある。だからそういう点では非常に守り難い戒律ではあるけれども、真実というものを一所懸命に求めていくためには、守る必要のある戒律だと言う事が言えるわけであります。
                        つづく--


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幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。68歳。自営業。愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで毎日更新し自宅で朝晩毎日坐禅をしています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」戒名幽村芳春。平成20年「嗣書」授かる。    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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