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正法眼蔵 海印三昧 27

曹山本寂禅師と僧侶との問答について道元禅師の注釈は続きます。

例えば、杭州の多福禅師が我が身の日常生活を竹にたとえて述べられた事に似ている。

※西嶋先生解説
ある僧侶が多福禅師に対して「多福禅師と呼ばれる方の人柄は、一叢の竹に譬えるならば一体どういう状態でしょうか」という質問をした。多福禅師は「自分の竹やぶには1本、2本と斜めに生えている竹もある」と答えた。そのことは抽象的な一叢の竹というふうな総合的な捉え方だけではなしに、1本の竹、2本の竹という具体的な見方による捉え方もあるという意味で答えられた。

ところが質問した僧侶は「自分にはどうもその意味が分かりません」と言ったので多福禅師は「3本の竹、4本の竹が曲がっている」と。そのことは総合的な捉え方の他に、個々の具体的な捉え方もあるという事を多福禅師は言っておられるわけであります。

本文に戻ります
個々の具体的な日常生活があると多福禅師は言われたけれども、我々がどんな世界に住んでいるかという事の理解ではなしに、現在の瞬間瞬間に行っているところの一所懸命の行動が我々の人生であるから、宇宙という大きな立場から見るならば、個々の極めてつまらない日常生活というものがあるけれども、どうして多福禅師は言わなかったのであろう。「1000本の竹、10000本の竹といえども、あるものは曲がり、あるものは真っ直ぐである」と。

我々の人生というもの、人間の生き方を仮に一叢の竹と言うものを使って表現してみたとしても、その内容が極めて千差万別で、様々な内容を含んでいると言う事を忘れるべきではない。曹山本寂禅師が「宇宙全体と言うものは、一切の存在を包含している」と言われたけれども、その言葉そのものも宇宙の中の一部に他ならない。



          ―西嶋先生にある人が質問した―

質問
先生は坐禅さえすれば仏になれると言いますが非常に拡大解釈してますね、1%か0・3%ぐらいしかならない可能性でも、先生の表現によると誰でもなれるということですから、よくよくやっぱり気をつけて伺ってないと・・・「俺もそうか、俺もそうか」と思っていると、100才になっても150才になっても、いつまでたっても目が覚めないということになる。

先生
うん、そこでね釈尊が何を説かれたかと言いますと、私は坐禅をやるやらないを自転車にたとえるんですけれど、ペダルを踏んでれば自転車は倒れないということです。釈尊の教えの一番の基本はそれに尽きると思う。人間して生きておれば人間の道を踏み外さないということです。そのことが仏か仏でないかの別れ目だと。だから誰でも仏になれるんだけれども、たいていの人は仏になるのを億劫がって「いやだ、いやだ」と言って逃げ回ってるだけのことだと、そういう事があると思います。

質問
深く信仰するという仏道信仰という信仰が確立していませんと、どうしても先生のいうペダルを踏んでいるという形にはならないんですね。

先生
その点ではペダルを踏むということは筋肉運動なんです、実行なんです、実践の世界なんです。そしてペダルを踏んでいることが仏道を信じているという唯一の事実ですよ。私は仏道を信じてますけれども、坐禅はやりません」では、仏道を信じていることにはならないんですよ。ここが大事なところで、今日一般に世間で行われておる仏道というのは、「私は仏教を信じてます。坐禅はやりません」と。それは「自転車に乗るのは好きですけど、ペダルを踏むのは嫌です」と、こういうことでしかない。
              ――中略――
人間らしく行動するということが仏道の根底ですよ。坐禅はそのためにやるわけ。そのことはペダルを踏むということです。「ペダルを踏んだ方がいいんだがなあ」と思いながら、ペダルを踏まないということではないわけです。「ペダルを踏んで汗水たらすのはバカのやることだ」ということでもないわけです。ただペダルを踏むならば、自転車は倒れないで走るということが、釈尊のお説きになった原理の一つの基本的な要素をなしている。

したがって、「只管打坐」の坐禅というものが尊いわけですよ。ペダルを踏まなくても悟りさえ開けばいいんだということではなしに、ペダルを踏んでないと自転車は倒れるぞという単純な事実ですよ、「只管打坐」の教えというのは。道元禅師が中国まで何を勉強しに行かれたかというならば、ペタルを踏まなければ自転車は倒れるぞということを天童如浄禅師から教わってお帰りになったというだけのことですよ。
                               つづく--


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プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
夫婦で店を始めて43年。生活=仕事。毎日朝晩自宅で坐禅をし、愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」をブログで紹介しています。師事した愚道和夫老師より平成13年「授戒」平成20年「嗣書」を授かりました。     

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