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正法眼蔵 大悟 1

「大悟」の巻、本文に入る前に西嶋先生の話です。

「大悟」というのは、大いに悟るという事で真実をつかむという事。この真実をつかむという事を大切に考える仏道の宗派もあるわけであります。悟りというふうに捉えて、悟りさえすれば、もう後はどんなことをやっても間違いは起こさないというふうな考え方もあるわけでありますが、道元禅師は、悟りというものについての評価はもちろんしておられるわけでありますが、そうかといって、それがもう全部だというふうな捉え方はしておられない。仏道の立場から見て悟るという事が一体どういうことかというふうな問題について、この「大悟」の巻で述べられておられるわけであります。

「大悟」の巻、本文に入ります。
釈尊以来、代々の祖師方(真実を得られた方)によって、偉大な真実というものが伝えられ、その伝えられ方というものは、少しの隙間もない様なきわめて綿密なものであった。そして代々の祖師方による行いというものは、それを外から眺めた場合に、何れもきわめて平凡などこにでもある様な実態を具えたものであった。

それであればこそ、真実をつかむと言う事が日常生活において現実に生まれ、悟るとか悟らないと言う事を問題にしなくても悟りと一体になると言う事があり、悟りというものを手の中に入れてそれを自由自在に取り扱うと言う日常生活があり、悟りというものはどうでもいいとすっかり超越してしまって自由自在の行いをするという境地もあった。これが釈尊以来代々の祖師方が行ってこられたごく普通の日常生活であった。

真実を得た人々といえども、我々の生活と同じ様に自分が主体になって24時間を使いこなすと言う状況もあったと同時に、24時間に追いまくられて、周囲の状況に合わせながら一所懸命生きるという二つの境地が同時にあった。これらの二つのものが重要な日常生活の中心であるが、その境地を飛び出して日常生活に精を出す事もあれば一所懸命坐禅をする事もあった。



          ―西嶋先生にある人が質問した―

質問
私は毎日坐禅をしておりますけれども、やっぱり迷っています。「まだ先があるんだ、あるんだ」と思って・・・・。でも、迷っているそのままでいいと思いましたけれども、それでよろしいですか。

先生
今から何十年か前を振り返ってみて、私が18、9の時に初めて大中寺に行ってやった坐禅と、今の坐禅と違うかと言うと違わんのですよ。何もわからないところで「こういう坐り方をするんだ」と言われて、わけもわからずに坐っていた時の坐禅と今の坐禅とはちっとも変わらない。と言う事は、どんな状況になろうと、どんな年齢であろうと、何十年やろうと坐禅は坐禅だ。その坐禅の中身と言うものが、いわゆる悟りと言うもの。

普通はそう言う事に気が付かないから、普通の坐禅は駄目な坐禅でそのうちに立派な坐禅になると思っているけれども、そんな事ではなくて、何もわけがわからんで初めて坐禅のやり方を教わって「こういうふうにやるんだ」と言われて坐っていた坐禅と今の坐禅とは、ちっとも変わらない。と言う事は、初めから坐禅さえすれば仏の境地にすぐ入るんだという事。その事を道元禅師は「正法眼蔵弁道話」の中で「初心の弁道本証の全体なり」と言われておるわけです。だから「初心の弁道本証の全体なり」と言う思想を、やっぱり頭の中に叩き込む必要がある訳ですよ。仏教と言うものを勉強していく上においてはね。

質問
信じなければいけないわけですね。

先生
ところが普通はそう言うふうに感じない。自分の坐禅は駄目で、何十年やった人の坐禅は立派な坐禅だと思っているからね。「まあ、今日はちょっと休みましょう」という事だってありうるわけだけどね。だけれども、そう言う事ではないんですよ。とにかくどんな坐禅でも、やっぱり一所懸命やっている坐禅というのはもう「仏」と見て間違いない。その事を道元禅師は「修証一等」といわれた。坐禅さえすれば「仏になるんだ」と、こう言われた。


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プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。67歳。自営業。
自宅で毎日(朝・晩)坐禅をしています。
師事した愚道和夫老師より
平成13年「授戒」戒名は幽村芳春。
平成20年「嗣書」を授かりました。    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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