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正法眼蔵 神通 20

昔、釈尊の教団に五通仙人と呼ばれる五種類の神秘的な働きを具えているという修行者がいた。

その仙人が釈尊に質問した。
釈尊は六通(六種類の神秘的な働き)をお持ちでありますが、私は五通(五つの神秘的な働き)を持っております。自分と釈尊では、一つ釈尊の方が多いわけでありますが、この五通と六通との差である一通とは、一体どんなものでありましょうか。 

釈尊は仙人に「五通仙人よ」と呼びかけた。そこで仙人は「はい」と返事をした。

釈尊言う  
私の呼びかけに、お前は「はい」と素直に返事をしたけれども、人に呼ばれたときに「はい」と素直に返事をするような働きというものが、お前の五つの働きと、私の六つの働きとの違いになっている一つの働きである。その働きについては、お前は私ににいろいろと尋ねて勉強しなければならない。



              ―西嶋先生の話―

ここしばらくの間、講義の前に仏教に関係した言葉の意味で大事なもの、基本的なものを少しずつ説明していくことにしたいと思います。今日は仏教という教えの中の、仏とは何かという問題を考えてみたいと思います。この道場でも受戒という式があるわけですが、その受戒の一番最初に受ける戒に三帰依という戒があります。

三帰というのは何かというと、三つのものに帰依する。三つのものは何かというと、仏と法と僧。この三つのものに帰依するというのが仏教思想の基本にあるわけでありますから、今日はそのうちの仏とはどういう意味かという問題を考えてみたいと思います。この仏という問題を考えるについても、仏教の基本的な考え方として、四つの立場から問題を考えていくという捉え方がありますので、その四つの考え方を基礎にして仏というものを考えていきたいと思います。

まず第一番目の考え方、つまり理想を基準にして仏を考えていきますと、第一に仏とは釈尊であると、そういう考え方が出てくるわけであります。釈尊という方は今から2500年ぐらい前、今日の一番新しい説では、紀元前463年に誕生されて、80年の生涯を生きられ紀元前383年に亡くなったという説が一番有力でありますが、その釈尊は29才の時に出家をされ、35才の時に真実というものがどういうものであるかという事をつかまれた。

そのつかまれた真実を80才の亡くなるまでの間、45年間人々に説かれたという方であります。ただ仏というのは単に釈尊だけではなしに、釈尊と同じ人格に到達した人もやはり仏というわけであります。ですからそういう点では、釈尊の跡を継がれた摩訶迦葉尊者にしても、その跡を継がれた阿難陀尊者にしても、あるいはインドから中国に坐禅を伝えられた菩提達磨大師にしても、あるいはその跡を継がれた太祖慧可大師にしても、あるいは中国から日本に仏教を持ってこられた道元禅師にしても、これらたくさんの方々というものは釈尊と同じ境地に到達し、釈尊と同じ人格になられたという事で、いずれも仏だと、そういうふうな考え方がまず最初にできるわけであります。
              
                つづく--


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幽村芳春

Author:幽村芳春
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夫と二人暮らし。67歳。自営業。
自宅で毎日(朝・晩)坐禅をしています。
師事した愚道和夫老師より
平成13年「授戒」戒名は幽村芳春。
平成20年「嗣書」を授かりました。    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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