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正法眼蔵 法華転法華 24

「心悟れば法華を転ず」について道元禅師の注釈は続きます。

釈尊が亡くなられてから四、五百年後に小乗仏教に対して大乗仏教が説かれた。「妙」もその大乗仏教が説かれた時代に生まれた経典である。その経典の中にも「今日、釈尊が大乗仏教を説かれる」と書かれていて、その様なあり方で、この宇宙というもののの実体に触れていくといういき方があるのである。

宇宙は様々の形で活躍いるのであるけれども、現に宇宙がこの様に活躍している事態においては、人はその事を感じる事も知る事も出来ない。五百塵点劫という無限に長い時間も、その内容に立ち入って検討してみるならば、ほんの一瞬一瞬の宇宙の活躍でしかない。そのことは別の言葉で言うと、我々自身が赤心片片(真心を持って瞬間瞬間を生きていく)に他ならない。それが釈尊の生き方と全く同じ生き方と言えるのである。

中国にこの法華経が伝承され「法華経」として読まれて以来数百年、時代によっては注釈書を作る人々がたくさん出た。この「法華経」によって、優れた徳をそなえた僧侶としての生き方を体得した人もあるけれども、中国の第六祖である大鑑慧能禅師は宇宙が転動する(我々の住んでいる宇宙が我々を動かして、その宇宙の活動を進めていく)という受け身の面と宇宙を転動させる(宇宙に住んでいる我々自身が一所懸命働く事によって宇宙が転回されていく)と言う積極的な面と両方の働きがこの宇宙の中に存在しているということを説かれた。これが我々の住んでいる世界の意味というものを一番現実的に、具体的に説かれた考え方である。



          ―西嶋先生にある人が質問した―

質問
〇〇新聞に載っていた先生の「心」についての記事を拝見しました。 誠に立派な記事でありまして、この中で先生はスポ-ツをおやりになった事を書いているのですが、これは仏道とはどの様な関係になりますか。

先生
何かを一所懸命やる事と、仏道とは非常に近いんです。坐禅と言うのは、そう言う一所懸命にやる事の一番単純な一番余分のない形と言う事に過ぎない訳です。人間は頭がいいから、朝起きると物事を考え、寝るまで考えている訳です。夜、寝てから考えている人もいる。そう言う頭の働きから解放される時期が我々の日常生活にはある訳です。それはおいしいものを食べている時とか、きれいな音楽を聞いている時とか、綺麗な色を見ている時とか、感覚的に外界の刺激を受け入れている場合も、ものを考える事態から解放されている訳です。
   
だから、我々の日常生活と言うものは、ものを考える事と、感覚的な外界の刺激(おいしいものを食べたり音を聞いたり)と言う事との交互の変化で成り立っている訳です。それだけかと言うと、我々の日常生活にはもう一つあるんです。それは頭で何かを考えているのではないし、外界の刺激を受け入れているという事でもないし、それは何かと言うと一所懸命に何かをやっているという事。 仕事をやっている、庭いじりをやっている、運動をやっている、絵を描いているとか色々な形の違いはあるけれども、頭で何かを考える事に追いまくられている状態でもないし、そうかと言って感覚的な刺激にしがみ付いている時でもない。その様な時間が、我々の日常生活にある訳です。

そういう時間を基準にして組み立てられた哲学が仏教哲学。釈尊はものを考えるでもなし、感覚的に囚われた状態でもない時間が我々の本当の人生の姿であり、そう言うものを出発点にして一つの宗教、一つの哲学が成り立つと言う主張をされた。だから我々がなぜ坐禅をするかと言えば、つまらん事は考えるのはやめるという事。感覚的に刺激を受け入れる状態から離れるという事。 そういう点では、坐禅は何かを得るという事ではなしに、様々な普段我々が囚われているものから脱け出すと言うところに坐禅の意味がある訳です。 道元禅師が坐禅の事を「身心脱落」と言われたのはそういう意味です。


読んでいただきありがとうございます。


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プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
ご訪問、ありがとうございます。
夫と二人暮らし。67歳。自営業。
自宅で毎日(朝・晩)坐禅をしています。
師事していた愚道和夫老師より
平成13年「授戒」を受け、
平成20年「嗣書」を授かりました。    

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坐禅とは姿勢を正してきちんと坐ることである。 姿勢反射が働いて、交感神経と副交感神経とが同じになり、 考え過ぎからくる不満がなくなり、感じ過ぎからくる不安が消える。 実行力が生まれ、やりたいと思う事が直ぐできるようになり、 やりたくないと思う事はやめることが出来るようになる。 自分自身と宇宙とが一体となり最も幸福な人生を送ることが出来る。

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