正法眼蔵 一顆明珠 9
玄沙師備禅師と弟子との問答について道元禅師の注釈は続きます。
我々は日常生活において様々の事を考え、様々の事に疑いを持ち、「あれがいい」とか「これが悪い」とかと言い、自分自身の狭い考え方で駄目だとかいいとかというふうに考えているに過ぎない。そしてまた、たまたまそういう狭い量見で、この宇宙とはどういうものかというふうに考えてみたに過ぎない。
我々がどう考え様とこの宇宙は素晴らしい存在であり、我々自身もまた疑うことのできない素晴らしい存在である。この様に我々の住んでいる宇宙は、我々自身をも含めて実に素晴らしい存在に他ならないのであるから、我々の住んでいる宇宙を、愛せずにおられようか。この宇宙というものは、この様に素晴らしい彩り、素晴らしい輝きが無限に具わっている。日常生活における瞬間瞬間、あの場面この場面と言う様々の出来事も、一切が我々の住んでいる宇宙が持っている性質に他ならない。
したがって、この我々の日常生活が駄目だからと言って追い払う事も出来ないし、そうかと言って永遠にそれが続いてしまってどうにも動きのとれないものだという事でもない。だから、自分の境涯に焦りを感じてやらなくてもいい様な行動はやる必要はない。
我々は、六道(人間が因果関係に操られて経過していく六つの境涯)に落ちるとか落ちないとかと気にする必要はない。つまり「仏道修行をすれば六道に落ちない」と言う考え方と「仏道修行をしても六道から逃れる事は出来ない」と言う考え方があるが、その両方を気にする必要はない。
※六道とは
1 地獄----苦しみの世界
2 飢餓----欲望が満たされない境涯
3 畜生----何か満たされない欲望を一所懸命得たいと思って気違いのように求める境涯
4 阿修羅--恥や外聞もなく欲望を満たすと、非常に気持ちが荒れて、暴れ回る状態
5 人間----暴れ回った後、少し落ち着いて来るのが人間の状態
6 天上----少し落ち着いてくると、自分は神ではなかろうかとうぬぼれて到達する境涯
天上の境涯になると、自分は神であると思っているのに、どっこい自分自身は相変わらず人間であるから、思い通りにならないのでどうも不満でしょうがないと言う事でまた地獄に戻って行く。六つの境涯を次から次へと経過していくと言う事が、六道を廻ると言う考え方である。
つづく--
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我々は日常生活において様々の事を考え、様々の事に疑いを持ち、「あれがいい」とか「これが悪い」とかと言い、自分自身の狭い考え方で駄目だとかいいとかというふうに考えているに過ぎない。そしてまた、たまたまそういう狭い量見で、この宇宙とはどういうものかというふうに考えてみたに過ぎない。
我々がどう考え様とこの宇宙は素晴らしい存在であり、我々自身もまた疑うことのできない素晴らしい存在である。この様に我々の住んでいる宇宙は、我々自身をも含めて実に素晴らしい存在に他ならないのであるから、我々の住んでいる宇宙を、愛せずにおられようか。この宇宙というものは、この様に素晴らしい彩り、素晴らしい輝きが無限に具わっている。日常生活における瞬間瞬間、あの場面この場面と言う様々の出来事も、一切が我々の住んでいる宇宙が持っている性質に他ならない。
したがって、この我々の日常生活が駄目だからと言って追い払う事も出来ないし、そうかと言って永遠にそれが続いてしまってどうにも動きのとれないものだという事でもない。だから、自分の境涯に焦りを感じてやらなくてもいい様な行動はやる必要はない。
我々は、六道(人間が因果関係に操られて経過していく六つの境涯)に落ちるとか落ちないとかと気にする必要はない。つまり「仏道修行をすれば六道に落ちない」と言う考え方と「仏道修行をしても六道から逃れる事は出来ない」と言う考え方があるが、その両方を気にする必要はない。
※六道とは
1 地獄----苦しみの世界
2 飢餓----欲望が満たされない境涯
3 畜生----何か満たされない欲望を一所懸命得たいと思って気違いのように求める境涯
4 阿修羅--恥や外聞もなく欲望を満たすと、非常に気持ちが荒れて、暴れ回る状態
5 人間----暴れ回った後、少し落ち着いて来るのが人間の状態
6 天上----少し落ち着いてくると、自分は神ではなかろうかとうぬぼれて到達する境涯
天上の境涯になると、自分は神であると思っているのに、どっこい自分自身は相変わらず人間であるから、思い通りにならないのでどうも不満でしょうがないと言う事でまた地獄に戻って行く。六つの境涯を次から次へと経過していくと言う事が、六道を廻ると言う考え方である。
つづく--
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