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正法眼蔵 弁道話 1

「弁道話」の巻、本文に入る前に西嶋先生の話です。

「弁道話」とはどういう意味かというと、「弁」勉める・「道」釈尊の説かれた教え。「弁道」とは、釈尊の説かれた教えを一所懸命勉強すると言う事です。この巻は、対話の形で述べられた部分もあって、比較的わかりよく書かれたものという意味で「弁道話」という表題がついています。

この「正法眼蔵弁道話」と言うのは、「正法眼蔵」を別に編纂した75巻本の中には入っていない。なぜ入っていないかと言うと、多少時代が下ってから、京都の菊亭と言うお公家さんの家から発見された。そうしてその内容その他から見て道元禅師の著作に間違いないという判断が成り立ったので、江戸時代中期に、95巻本が編纂されたときに、一番最初に入った。そういう経歴を持つわけであります。

この「弁道話」の巻は、「正法眼蔵」九十五巻本の一番最初に載せるのが最も適切だと考えられているように、非常にわかりやすくて、仏教というものがどういうものかという事を、きわめて具体的に書いてあります。だから最初にやる「巻」としては適切な「巻」という事になるわけです。道元禅師は「功夫弁道」という言葉を、「正法眼蔵」の中でもよく使われます。「功夫弁道」とは、努力する、釈尊の教えを一所懸命勉強するという意味ですが、具体的には「弁道」という言葉で「坐禅」という事を意味している。だから、この弁道話と言うのは、坐禅についての説明という意味にとって差し支えない。



          ―西嶋先生の話―

正直言って、「正法眼蔵」は難しい本です。私がこの本に初めてお目にかかったのは、18か19の時だった。初めて読んで、全然意味が分からないんでビックリしてしまった。その当時も多少勉強していたから、日本語で書いた本で読めない本はなかろうかと思って、いささか自信を持っていたところが、この本を読んでギャフンと参ってしまった。文字そのものはそう難しいわけではない。けれども一字一字ずうっと読んでいって、字は読めるんだけれども、意味が分からない。そこで、こんな難しい本があったのかと思ってビックリしたわけであります。

ただ読んでいくに従って、文字の端々に魅力を感じた。分からないなりに魅力があった。そこで何とかして読みたいということで、40年たってだいたい意味が分かってくると、やっぱり勉強しておいてよかったというふうに感ぜざるを得ない。この本を読んだことによって、仏道と言うものがやっと分かった。この本を読まなかったら、おそらく一生仏道は分かんなかっただろうという実感しか持ちえない。だから非常に難しい本であったけれども、読んでよかったというふうに感ぜざるを得ない。だからそういう点では、皆さんにも非常に難しい本ではあるけれども、とにかくあきらめずに読むということにおいて意味がある。

この本を読んで坐禅をする習慣がつけば、仏道と言うものは分かる、分からないという問題じゃなくて、体にしみついて離れることがない。体にしみついて離れることがないというのが仏道の大切なところで、仏教書を多少読んで、知識が増えて「坐禅とは・・・・」と言う様な事で人に説法する事、人に説明することが、決して意味のあることでも何でもない。ただ黙々と毎日坐禅することによって、坐禅と言うものが自分の体にしみついてしまって、坐禅に教わって朝から晩まで一切のことが行われるという形が仏道。

仏教書を読んで多少知識が増えたぐらいでは、仏道と言うものとは全く無縁だと言ってもいい。仏教書は一字も読まなくても坐禅を毎日やっておれば、仏道と言うものと体とが一体になって、仏道から離れようとしても離れられないというのが実体。そういうことになろうかと思います。今日仏道と言うものは非常に衰えている。なぜ衰えているかと言うと、坐禅が盛んでないから。本屋へ行くと仏教関係の本はかなりある。だけれども、そういう本を読んでも、坐禅をやらなければ、仏道と言うものが体でわかってこない。


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コメント
341: by 藤本 on 2014/05/19 at 16:52:21

UFO様、コメント送信の失礼お許しください。
仏教・座禅の初心者です。以前から時折「覗かせて」いただいておりました。
今回、弁道話の巻から一つずつゆっくりと読むことにしました。ここでお話を「一括してプリントできたらいいのに」などと思ってしまったのですが、
UFO様が一話一話タイプしてエントリーしてくださったものです。私も、一つ一つクリックしてゆっくり読んでいきます。UFO様のブログに感謝です。

343:Re: タイトルなし by UFO on 2014/05/20 at 22:16:39

藤本さんコメントありがとうございました。
このブログは、一人でも多くの方に坐禅をしてもらいたくて始めました。
西嶋先生は、坐禅をすれば「正法眼蔵」がよく理解できると常々おっしゃっておりました。
これからも宜しくお願いします。

585:お尋ねします。 by hatamori on 2016/10/13 at 18:23:32

こんばんは、メールのご返事ありがとうございました。自宅でする座禅の仕方に関して先生おすすめの本がありますか。あったら教えてください。

586:Re: お尋ねします。 by 幽村芳春 on 2016/10/15 at 11:01:54

hatamoriサン、コメントありがとうございます。

著者:西嶋和夫/発行所:金沢文庫の「坐禅のやり方」という小さい本がありこの本をお薦めしますが、当ブログにも「一人坐禅のやり方」を紹介しています。もしよろしければ読んでみてください。もしわからない事、疑問に思うことがあったらまたコメントをください。

プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
ご訪問、ありがとうございます。
夫と二人暮らし。67歳。自営業。
自宅で毎日(朝・晩)坐禅をしています。
師事した愚道和夫老師より
平成13年「授戒」戒名は幽村芳春。
平成20年「嗣書」を授かりました。    

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坐禅をしているという事は、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして釈尊と同じ格好をして釈尊と同じ心境になっているという事でしかない。坐禅を中心にして、釈尊の思想が時代が変わり場所が変わっても、その場所、その時代に適応するような形でずっと伝わってきている。

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